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墓じまいと永代供養、無縁墓にしないために知っておきたいこと

終活

「墓じまい」と「永代供養」って最近よく聞くけれど、具体的にどういうことなのかわかりにくいですよね。

実は私、ずっと勘違いしていたんです・・・20年以上も!

当時結婚してまだ間もない頃、身内を亡くした私は親戚のすすめで近くのお寺の納骨堂に遺骨を納めました。

そして言われるまま「永代経」のお布施を準備することに。

「永代経・・・この間新聞で読んだ永代供養だ」

私はてっきり「最近話題の永代供養」をしたつもりになって、悲しみの中も多少満足感を感じていました。

何かおかしい、何か違う、と薄々気づいてはいたんですよ。

普通に法事はあったし、今も毎年お寺さんが自宅の仏壇にお参りに来てくださるし。

でも当時はインターネットもなく、いつしか疑問も日常と化しすっかり忘れ去っていました。

ところが先日、里の両親宅で墓じまいの話題が出て、突然思い出して調べてみることに。

そうしたら、「永代供養」と「永代経」は全く別ものだというではありませんか。

20年以上の大きな勘違いに、この時ようやく気づいたというわけです。

故人も天国で呆れているでしょう。

こんなバカな勘違いをするのは私くらいだとは思いますが、「墓じまい」と「永代供養」について、詳しく知りたいという方は多いのではないでしょうか。

先祖代々続くお墓を無縁墓にしないためにも、これはとても大切なこと。

「墓じまい」と「永代供養」について、今回調べてみたことをご紹介しますね。

墓じまいと永代供養ってどう違うの?

墓じまいと永代供養はよく「どう違うの?」とか「どちらがいい?」と比較されがちですよね。

実は、これらは流れ的に別の段階を表す言葉なので、比べられるものではないんです。

まず「墓じまい」をして、その次の選択肢として「永代供養」があるんです。

ここで「墓じまい」と「永代供養」について、それぞれの言葉の意味を確認しておきましょう。

意外と大変な墓じまい

「墓じまい」は名前の通り、「お墓をしまう」=「お墓を撤去・処分すること」です。

大きな流れとしては

  1. 書類の準備
  2. お墓の魂を抜く供養
  3. 遺骨を新しい場所に納める
  4. 墓石を整理して更地にする

このようにまとめると簡単に感じますが、これが意外と大変で。

法律で定められた、たくさんの書類の準備から始まり、計画からなんと1~3年もかかるんです。

墓じまいには莫大な時間とお金がかかりますが(費用については後ほど)大切なご先祖様のお墓のこと。

簡単に出来てしまうのも問題ですから、仕方がないのかもしれません。

そして墓じまいの後の選択肢として

  • 改葬(別の墓・納骨堂・永代供養など)
  • 散骨
  • 手元葬(遺骨を手元に置いて供養)

「改葬」とは、お墓の引っ越しのこと。
同じお寺内でお墓から永代供養に変える時も

「改葬」と言うんですよ。

供養の仕方にもいろいろあるんですね。

ほとんどの場合は改葬の中から選ぶことが多いでしょう。

これらは親族と話し合いの上、決めていくことになります。

いろいろある永代供養

「永代供養」は一言で言うと「供養をすべて寺院や霊園にお任せすること」です。

今までは、身寄りのない独身の方や子どものいない夫婦の方のご利用が多かったのですが、最近は子どもの負担を心配して、墓じまい後「永代供養」を選択される方が増えてきています。

一般的に宗旨宗派は問われないことが多いようです。

ここで、永代供養関係での頻出ワード「合祀」(ごうし)の意味をご説明します。

合祀とは骨壺から遺骨を取り出し、他人(身内以外)の遺骨とまとめて埋葬すること。
後に個別に取り出すことは不可能になります。

どこかで聞いたことがあると思ったら、新聞やニュースでの「靖国人社、A級戦犯合祀」問題、ですね。

他ではあまり聞いたことがない言葉です。

では「合祀」を頭に入れた上で永代供養の特徴です。

納骨の方法は2種類

「永代供養の納骨の方法」は大きく分けて2種類あります。

  • 個別型(一定期間、骨壺のまま個別に供養し、その後合祀)
  • 合祀型(最初から身内以外の遺骨と一緒に合祀)

個別型は、一定期間(17回忌、33回忌、50回忌など)の後、合祀することになります。

その個別一定期間の管理方法は様々で(集合型・個別墓型など)、それにより大きく金額が変わってきます。

さて、その選択ですが、既に長年お墓で供養を行ってきた遺骨に関しては最初から合祀でもかまわないでしょう。

問題は最初から永代供養墓での供養を選択した場合。

やはり一定期間個別型の方が遺族にとって気持ちの整理が出来て良さそうですね。

自分が入るとしても、なんとなく「いきなり他人と一緒」よりいいような気がしませんか。

その頃は天国にいるはずなので関係ないと言えばないのですが。

「個別で供養する期間」が長くなるほど費用は高くなります。

こんなにある永代供養墓の形状

次に「永代供養墓の形状」について、表にしてみました。

 屋内

(納骨堂)

ロッカー型個人ごとのロッカー型で費用が安い
霊廟型
(れいびょう)
室内に上下二段に分けられた壇が設置
(上段に仏壇、下段に遺骨)
通常の墓地と同じ機能をもつ
自動搬送型参拝ブースに、収蔵庫に保管されていた遺骨が
エレベーターなどで取り出される
 屋外納骨塔型モニュメントやお釈迦様像などの塔の下に納める
(合祀型が多いが施設による)
納骨稜型
(合祀型)
古墳のように上に土を盛っている
納骨壇型総石造りの遺骨を納めるための建築物
個別に納められている
個別墓従来のお墓に永代供養を加えたもの
樹木葬樹木の下に遺骨を埋葬するタイプ

こんなに種類があるとは驚きですね。

一般的には納骨塔型、室内ならロッカー型が多いようです。

都会では「自動搬送型」が増えているそうですよ。

洗練された雰囲気の空間で、ICカードをパネルにかざすと遺骨が運ばれてきて故人のメッセージが流れたり、写真や家系図が見られたり。

お墓もハイテク化してるんですね。

お盆にヤブ蚊と闘いながらのお墓参りとは、ずいぶんイメージが違います。

永代供養と似て非なる言葉


ここで永代供養と間違いやすい言葉についてもふれておきます。

勘違いする人がいますからね。

普通はすぐに気が付きます

永代使用料
通常のお墓の土地代のようなもの。
一般的なお墓は、一度「永代使用料」を払えば子孫へ継承する限りいつまでも利用することができます。

「永代供養」と言葉は似ていますが全く関係がないので要注意です。

永代経
浄土真宗の言葉で永代読経の略。
簡単に言うと、末永く(永代に)お経が読まれる、という意味です。

これです、これに騙されたんです(←被害妄想)

墓じまいと永代供養の関係について

最初にもふれましたが、墓じまいと永代供養は「どっちにしよう?」という問題ではないんです。

まず「墓じまい」をして、それから遺骨の供養方法の選択肢のひとつとして「永代供養」があるんですね。

では、「墓じまいをして永代供養をしよう」と決めた場合、どうして1~3年もかかるのか、興味ありますよね。

どういう流れで進んでいくものなのか、みてみましょう。

墓じまいから永代供養までの流れ

墓じまいをする前に一番大切なこと


墓じまいをスムーズにすすめるためには最初の「話し合い」が全て、と言っても過言ではありません。

  1. 親族に相談
  2. お寺と離檀について相談(檀家に入っている方)
  3. 遺骨の移転先の納骨堂・永代供養墓を決める

まずは親族の了解を得ること。

「墓じまいをする理由」「どういった内容で行うか」「総額どのくらいかかるのか」について、丁寧に説明をして全員が納得の上ですすめていくのが理想です。

後々のトラブルはここから始まることが多いので慎重に進めましょう。

そして次の難関がお寺との相談。

お寺からすると離檀(檀家をやめること)は収入減につながるので、まれに高額な離檀料を要求されることもあります。

こういったトラブルを防ぐためには、お寺にいきなり「離檀します」と言わないのがコツ。

まずは「相談」という形でソフトに話を切り出して、相手に態度を硬化させないように細心の注意を払ってください。

そして、親族やお寺との話し合いと並行して、移転先の納骨堂・永代供養墓を決めていくことになります。

先に決めておいても良いのですが、あくまで「相談しながら決定していく」という体裁をとった方がうまく進む場合が多いでしょう。

↓墓石整理の様子です。

そしていよいよ、実行段階に移ります。

墓じまいから永代供養の具体的な流れ

ちょっと複雑で長くなりますが頑張って見ていきましょう。

1.改葬許可申請書を準備
  • お墓がある役場のホームページから改葬許可申請書をダウンロードする。
  • 書類は役場にもあります。
  • 遺骨1体につき1通必要
  • 役場によって必要な書類や、書類の形式が違うので注意
  • 現在お墓のあるお寺や霊園から署名・捺印をもらう。
2.納骨許可書をもらう
  • 新しく永代供養を依頼するお寺・霊園から納骨許可書をもらう
3.改葬許可証をもらう
  • 新しいお寺・霊園でもらった納骨許可書を、現在お墓のある市町村役場に提出して、改葬許可証を発行してもらう
4.墓石を整理する業者を選ぶ
  • 墓石の整理や遺骨の取り出しをお願いする業者(石材店)を選ぶ。
  • 業者によって値段が大きく違うことが多いので何社か見積もりを取って比較する。
  • お寺などが提携する業者を紹介されることもある。
5.閉魂供養をして、遺骨を取り出す。
6.新しいお寺・霊園の永代供養墓に納骨
  • 遺骨と改葬許可証を持参して、手続きのあと開眼供養などを行って納骨

注意:これらの手順は「墓地、埋葬等に関する法律」に則って行わないと法律違反になります。

なるほど、親族の説得から始まり、これだけの手順をこなそうとすれば1~3年かかるというのも納得ですね。

墓じまいは高齢になってからでは大変そう。

身軽に動けるうちに取りかかった方が良さそうですね。

では、「墓じまい、永代供養」について、メリットデメリットをあげてみましょう。

墓じまい永代供養のメリットデメリット

まずは「墓じまい、永代供養」をした時のデメリットから。

デメリット

「墓じまい、永代供養」をする時にはこんな点に注意が必要です。

  • 親族間、お寺、業者(石材店)とのトラブル
  • 手順が複雑で長期化する
  • 供養をしている、という気持ちが薄れる

親族の同意を得るのは簡単なことではありません。

永代供養墓はもともと身寄りのない方の利用が多く、中にはいろいろ事情を抱えた方も祀られています。

今でこそ一般的になりましたが、まだ抵抗がある方も多いかもしれませんね。

しっかり話し合っておかないと、合祀墓では遺骨を取り出すことが出来ないため、取り返しのつかないことになりかねません。

また寺院の場合、中には法外な離檀料(檀家を辞めるために必要な費用)を請求されることも。

あと気分的な問題ですが、お墓があるとお参りに行く動機になるけれど、お寺に預けてしまうと安心感からつい、ほったらかしになりがちです。

永代供養までの道のりは想像以上に大変ではありますが、全ては無縁墓になるのを防ぐため。

ご先祖様を大切に考えるからこその永代供養なのね。

次に墓じまい・永代供養のメリットについてご説明します。

メリット

墓じまい・永代供養をすると次のような心配から解放されることになります。

    【精神的な負担】

  • 跡継ぎがいないしお墓の管理はどうしよう。
  • 子供はいないしお墓もないし、死んだらどうなるの?
  • 子供にお墓やお寺のことで負担をかけたくない。
    【肉体的な負担】

  • 年だし(病気がちだし)お墓の管理もう無理だわ。
    【経済的な負担】

  • お寺とのお付き合い、結構お金かかるのよね。

なんといっても、無縁墓になる心配が完全になくなるのがいいわね。

永代供養にすることによって、先祖代々受け継いできたお墓を守り続けることになるのですから大きな安心につながります。

お墓参りも住まいが遠いと大変。

年末年始やお盆などの長期休暇がいつもお墓参りでつぶれてしまいます。

渋滞に巻き込まれたら、子ども達をなだめるのも一苦労。

高齢になると墓地の階段や坂道も大きな負担です。

お寺への寄付、毎年ではないけれど負担大きいのよね。

我が家もローンや教育費で大変な中、?十万円といった寄付の請求に倒れそうになりました。

当時はどうしても無理だったので相談して「気持ちだけ」にして頂きましたが。

それでは一番気になる、費用についてチェックしていきましょう。

それぞれの費用について

費用は、地域性やお寺の格、供養方法によって大きく変わってきます。

あくまで一般的な相場ですので、ご参考までに。

【魂抜き】
1万円~5万円程度(お車代・御膳料でプラス2万円程度)
【離檀料】
10万円~20万円より(お寺の檀家で、寺を離れる場合のみ)
【撤去工事】
30万円前後

  • 墓地の面積1平方メートルあたり10万円から15万円程度。
  • 墓石の撤去工事の費用はお墓の状況によって大きく変わってくる。
    重機が入れない所だと手作業になり、かなり高額になる
  • 業者(石材店)によって大きく金額が違ってくるので、何社かに見積を依頼するとよい。その際、現地まで一緒に出向き下見をした上で金額を出してもらうことが大切
  • 安すぎると悪徳業者の場合もあるので注意。
【永代供養料】
合祀だけ:3万円から10万円程度
一定期間個別に供養:20万円から200万円
戒名を授けてもらう:20万円から60万円

  • 遺骨1体ごとの費用がかかるので、お墓に遺骨が多数あると費用が高額になる。
  • 個別に管理する期間が長いほど高額になる。
  • 個別の管理方法(集合型・個別墓など)によって金額が大きくかわってくる。
  • さまざまな雑費を、含んでいる場合と別に請求される場合があるので事前に確認しておく必要がある。

永代供養料は、平均して総額10万円〜150万円以上と大きな開きがあります。

上限は果てしない感じでした。

その中でもだいたい30~90万円がボリュームゾーンとなるようです。

永代供養料は一度支払ってしまえば、基本的にその後の維持費管理費はかかりません。(未来志向のハイテク型など一部を除く)

費用は一番気になるところですが、金額だけで選ぶのではなく、どんなふうに故人と向き合っていきたいのかを考えることが大切です。

まとめ

調べてみて、墓じまいや永代供養は想像以上に時間と労力とお金が必要なことがわかりました。

そして、何より「納得するかたちで話し合いをした上ですすめていく」のが大切、ということ。

墓じまいを「ご先祖様に申し訳ない」と反対される方のお気持ち、とてもよくわかります。

でも将来、無縁墓で荒れ放題になる方がもっと申し訳ない気がします。

最近では比較的新しいお墓でも無縁墓化が進んでいるとか。

永代供養はこれらの問題を解決する選択肢のひとつとして、一番有力な候補になるのではないでしょうか。

「永代供養」をしている、と勘違いしたまま20年以上もたってしまったけれど、今回調べてみたことで自分の中でモヤモヤがすっきり解決。

でも本当の問題はこれからなんですよね。

遠く離れて生活する子供たちに負担のかからないよう、今度こそ!!「永代供養」について家族と話し合ってみようと思います。

この記事を書いた人
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