先日、夫の実家が墓じまいをしました。
元々のお墓は山の中にあり、お盆の季節は「熊が出没したので、くれぐれも注意してください」と回覧板が回ってくるような危険な場所でした。
普段は夫の両親がお墓の管理をしてくれていますが、いずれは私たち夫婦が引き継がなくてはなりません。
義父母には直接言えなかったけど、「命がけのお墓参りなんて怖すぎる」と常々思っていた私。
お墓の引っ越しの話を聞いて、ホッと胸を撫でおろしました。
でも、古いお墓から新しいお墓に遺骨を引っ越す「墓じまい」の時の服装って?
葬儀や法事のように喪服で行くべきなのか、普段着でいいのか。
墓じまいって滅多に経験しないことだけに、マナーがわかりません。
結局、「遠いから、わざわざ来なくていい」という義母の言葉に甘えて立ち会いませんでしたが、今回のことを機に墓じまいの服装について調べてみました。
墓じまいの服装で悩んでいるあなたのためにご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
墓じまいの服装マナーは内容で変わる
墓じまいの時にどんな服装を選ぶかは、次の3つの状況で分かれます。
②家族や親族などの身内だけで行う
③親戚が多く集まって行う
墓じまいに立ち会う人によって内容が変わるので、服装マナーもそれに応じたものが必要になるんですね。
では、それぞれの服装について確認しましょう。
お坊さんが来る場合は必ず喪服
墓じまいの一連の流れの中に、閉眼供養(魂抜き)というのがあります。
お墓に宿る仏様たちの魂を抜き取るために、お坊さんにお経を上げてもらい、焼香をするという厳粛な儀式です。
この閉眼供養と墓じまいを同じ日にするのなら、お坊さんを呼ぶことになりますから、正装である喪服を着るのがマナーです。
屋外で行うから、着物よりも洋装の喪服の方が動きやすくていいわね。
では、喪服のマナーを確認しておきましょう。
女性の喪服
・基本はブラックフォーマル
・アクセサリーはパールが定番
・襟元はできるだけ詰まったもの
・袖は六分丈〜長袖
・スカートは膝が隠れる丈〜くるぶし丈
・黒色の薄手のストッキング
・3〜5cmの黒色パンプス
男性の喪服
・基本はブラックスーツ
・ワイシャツは白無地
・ネクタイは黒色
・ベルトは黒でシンプルなデザイン
・靴下は黒色の無地
・靴も黒色の無地
墓じまいは、通夜や葬式のように急に予定に入るものではないですよね。
時間のあるうちに、必要なものを事前にチェックして揃えておきましょう。
身内だけの場合は平服で大丈夫
お坊さんを呼ばずに、遺骨を取り出す石材店と身内だけで墓じまいの立ち合いをするなら、服装は平服で問題ありません。
家族や親族で行うので、お坊さんを呼ぶ時ほどの礼儀を重んじる雰囲気はないと考えられるからです。
それでも、お墓を供養するという大切な儀式なので、派手な色の服や露出の多い服は避けます。
墓じまいで着る平服はこんな感じのものを選ぶといいですよ。
・男性はジャケットを羽織る、またはスーツ
・黒色、濃いめのグレー、紺色など落ち着いた色を選ぶ
平服は普段着とは違うので、ジーンズや丈の短いスカートなどはやめておきましょう。
「仏様に失礼のないように」という気持ちは大切です。
親戚一同が揃うなら事前に相談を
親戚が広く集まって墓じまいを行う場合、「きちんと喪服で行かないといけない」と考える人と、「平服でかまわないだろう」と考える人に分かれるかもしれません。
これでは、当日バラバラの服装で揃うことになってしまいます。
喪服の人・平服の人どちらにとっても、居心地の悪い状況ですね。
そこで、参加する親戚が墓じまいの服装に戸惑わないように、事前に相談して喪服か平服かを決めておくことをオススメします。
あなたが喪主(墓じまいの施主)なら、親戚へ墓じまいの連絡をする時に服装のことも付け加えてあげると親切です。
墓じまいで子供には何を着せたらいい?
子供がいる家庭の場合、墓じまいで何を着せたらいいか悩みますよね。
子供の服装も大人と同じように考えて、次のような服装を選びましょう。
・白シャツに黒色か紺色のズボンやスカート
・同系色のセーターやベスト、カーディガンなどで寒さ調節を
・学校の制服があれば、それでもいい
・赤ちゃんも黒色や紺色の服
・女の子は地味な色味のワンピースやスカート
・男の子は地味な色味のシャツやズボン
・赤ちゃんの服もできれば色味をおさえたもの
私が子供連れで法事に参列した経験から言うと、喪服として使える子供服って揃えるのが難しいです。
落ち着いた色や無地でシンプルなデザインの子供服って、意外と見つからないんですよね。
私は紺色の子供服を求めて、近所のショッピングセンターの子供服売り場やユニクロ、無印良品を探し回りました。
寄せ集めた感じで、よくよく見ると同じ紺色でも上と下で色味が違ったりもしましたが、他の参列者から何か言われたことはなかったですよ。
皆さん、事情を理解して寛大に見てくださったんだと思います。
冠婚葬祭用の子供服をスペースにまとめて置いている売り場もあるので、店員さんに聞いてみましょう。
喪服がないならネットでレンタル
墓じまいにお坊さんが来る場合の服装は喪服がマナーですが、若い人の中には喪服を持っていない人もいるでしょう。
持っていたとしても、「久々に着たらサイズが合わなくなっていた」という場合もあります。
私が喪服を購入したのは20代半ばに結婚してから。
同じ喪服をもう15年以上着ていますが、最近着るたびに「デザインが今の年齢に合わなくなったかも」と思っています。
そして、お腹まわりのピチピチ感も気になっています。
いろんな理由から「買い替え時だな」と思いながら、滅多に着るものではないので、なかなか行動に移せないんですよね。
そんな時に利用したいのが、喪服のレンタルサービスです。
昔は貸衣装といえばお店に行って借りるのが一般的でしたが、今は喪服もネットでレンタルできるんですよ。
靴やバッグ、アクセサリーなどの小物までレンタルできるので、とても便利。
しかも、子供用の喪服まであるから、私のようにあちこちで探し求める必要もありません。
「すぐ届いて、返す時はクリーニング不要」という便利な喪服レンタルサービスはこちらの記事をぜひ参考にしてくださいね。
まとめ
墓じまいの時に着る服装について解説しました。
お坊さんに閉眼供養もしてもらう時は、正式に喪服で行くのがマナーです。
身内だけで墓じまいをするなら、平服で大丈夫です。
でも、親戚一同が集まるのであれば、みんなが服装を揃えられるように喪服か平服か事前に相談しておきましょう。
また、仏様に失礼のないように、「平服は普段着と違う」ということも忘れてはいけません。
墓じまい当日、心静かに仏様のお墓の引っ越しができるように、少しでも気になったことは前もって解決しておくのがベスト。
墓じまいの時に悩みがちな服装も、この記事を参考にして状況に合ったものを選びましょう。