親が亡くなって、お葬式などお別れの儀式が済んだ後、残された家族にはある作業が待っています。
このところよく耳にするようになった、遺品整理。
高齢の親がいる子供は、その時がいつ来てもおかしくありません。
いつまでも元気でいて欲しいけれど、私の両親もいずれは亡くなってしまいます。
両親が亡くなったら実家は無人になってしまうから、どうすればいいんだろう。
いろいろ、難しい手続きをしないといけないのかも。
実家には両親の荷物や家具、衣類などがたくさんあって、処分や片付けが自分たちで出来るのか不安。
私は、親が大切にしていたものや、思い出の品は処分したくないから、片付られないかもしれない。
ちょっと考えただけでも、頭の中はパニック状態。
今からこれじゃ、その時が来たら、きっと真っ白に燃え尽きているかも。
そんなことになる前に、親が亡くなった時の片付けをどうすればいいのか、知っておいた方がよさそう。
遺品整理はいつ頃から始めればいいのか、どんな準備をすればいいのか、どこから手をつけるのか、などを調べてみることにしました。
この記事では、遺品整理や片付けをうまく進める方法をご紹介します。
親が亡くなったら片付けはどうする
親が亡くなったら、残された遺品の片付けや整理をどうするのか、という問題が出てきます。
親の思い出が詰まったものや、大切にしていたものは、できれば処分したくないですよね。
私もそのタイプで、捨てることをためらってしまうのは間違いないでしょう。
だからといって、全部を保管しておくのは難しい話。
遺品を整理して、片付けることを考えないといけません。
親の遺品の片付けなんて初めてのことだから、悩みがつきもの。
どうやって片付ければいいの?
不要なものはどう処理しよう?
いつ始めればいいの?
など、迷いますよね。
遺品整理や片付けをどう進めていけばいいのか、まずは、始めるタイミングから考えてみましょう。
↓迷ったらここに相談
片付けを始めるタイミング
結論からいうと、親の家の片付けや遺品整理は、四十九日頃に始めるのがいいでしょう。
親が亡くなったら、相続という問題が待ち構えています。
遺品の中には相続財産となり、法的手続きが必要なものも。
手続きには期限が決められていて、必要書類をそろえるのにも時間がかかるもの。
早めに確認しておいた方がよさそう。
とはいえ、いろいろな事を一度ににはできませんし、精神的にも体力的にも負担が大きいですよね。
大切な人を失ったショックも徐々に癒えてくる、四十九日頃を一区切りとして、片付けを始めると気持ちの整理もつけやすいですよ。
ただし、この四十九日という時期もある程度の目安で、親が同居していたか、一人暮らしだったかで始めるタイミングは多少前後してきます。
それぞれの状況でどう違うのか、調べてみました、
家族と同居していた場合
同居していた親が亡くなった場合、喪失感も強いし、思い出があちこちにあるから、辛くなることも多いですよね。
遺品の片付けを始める気持ちには、なかなか、なれないもの。
ですが、遺品には相続の対象になるものもあるので、そのままにしておくわけにもいきません。
なので、どこかで区切りをつけて始めましょう。
例えば、親族や兄弟姉妹が集まる四十九日などがおすすめ。
親戚一同がそろったところで、片付けについての話し合いから始めましょう。
- 形見分けをするもの
- 処分するもの
- 相続するもの
などを先に決めておけば、後の作業が楽ですよ。
手続きが必要なものから、順番に片付けていけばいいのです。
一人暮らしの場合
一人暮らしだった親が亡くなったら、住んでいた家は無人の状態に。
そうなると、家をどうするのかという問題が出てきます。
持ち家の場合は、空き家になってしまいますよね。
空き家のまま長く放置するのは、防犯面も近隣の景観上も、良くないものです。
- 自分が引っ越して住む
- 定期的に通って管理する
- 売却する
- 貸す
など、家をどうするのか決めましょう。
賃貸物件だったら、ほとんどの場合、そこから引き払うことに。
その場合、退去までの家賃は遺族が支払うことになります。
退去が遅くなると、その分費用がかさむので、できるだけ早く片付けないといけませんね。
いずれの場合も、遺品が残ったままだと、持ち家を処分することも、賃貸物件から退去することもできません。
四十九日より前に始めるのが、おすすめです。
遺品の片付けは2通り
遺品の片付けは、自分たちでやる方法と、プロの遺品整理業者に依頼する方法があります。
大切な親の遺品ですから、自分たちで片付けをしたいですよね。
でも、最近では片付けに通う時間がないなどの理由で、業者を利用する人も増えているそうです。
それぞれのメリット、デメリットを表にしてみました。
自分たちで片付ける | 業者に依頼する | |
メリット | ・遺品の仕分けを丁寧に出来る ・費用が抑えられる ・トラブルや後悔が少ない ・気持ちの整理をしながら進められる | ・体力面での負担が軽くなる ・遺品の供養もしてくれる ・不用品の処分、買取をしてくれる ・遺品整理の相談ができる |
デメリット | ・とにかく時間がかかる ・大きな家具家電を動かすのが大変 ・不用品の処分に困る ・思い出に浸ってしまい進まない | ・費用がかかる ・思い出を整理する時間が少ない ・遺品を雑に扱われてしまう ・トラブル発生の可能性 |
自分たちで片付けるには長い時間と労力が必要ですが、費用を抑えられるし、何より、気持ちの整理がつけられます。
業者に依頼すると費用はかかってしまうけれど、遺品整理の相談にも乗ってくれるし、素人には難しい不用品の処分も任せられます。
自分に合った方法を選べばいいのね。
自分たちで片付ける場合、準備や順序を整えて始めるとスムーズに進められます。
その手順について、紹介していきます。
自分たちで片付ける時の準備3か条
遺品整理を親族、身内のみでする場合、仕分けから始まり、様々な手続きを自分たちで全て行うことになります。
いきなり始めようとすると、どこから手を付けようか、何から片付けるのか考えもまとまらず、バタバタして1日が過ぎてしまう事にも。
そんなことにならないように、事前に準備をしておきましょう。
身内に連絡する
片付けの第1歩は、兄弟や親戚などの身内に連絡を入れることから。
遺品の片付けは、1人で始めてしまわないようにしましょう。
あなたが不要だと思って捨てたものが、他の人にとっては必要なものだったなど、トラブルになることがあるので、要注意。
遺品というのは相続品なので、なるべく相続人が全員そろった状態で整理するほうが、揉めごとを減らせます。
身内に連絡を取り、都合のいい日に集まって遺品整理を始めるようにしましょう。
どうしても参加できない人がいる場合は、残したいものを聞いておいたり、処分方法は作業する人に任せると確認を取っておくといいですね。
スケジュールを決める
片付けを行う時は、スケジュールを決めておきましょう。
スケジュールをたてずに作業を始めると、めどがつかず、片付けが進まなくて疲れるばかりになってしまいます。
遺品の片付けは、何日もかかるもの。
いつから始めていつまでに終わらせるのかを決めておくと、今日はここまでやってしまおうという目標ができるので、作業もはかどりますよ。
必要なものをそろえる
遺品の片付けをする時、用意しておくと便利なものがあるのでご紹介します。
- 汚れてもいい服
- 軍手
- マスク
- 雑巾
- 厚手の靴下やスリッパ
履いておくと思わぬケガを防げます - ゴミ袋
自治体指定があればそちらを利用し、大きすぎると運ぶのが困難になるので45~70ℓサイズのものを用意しましょう。 - ダンボール
ダンボールも大きすぎると重くなりすぎます。120サイズを多めに、大きいもの用に160サイズもいくつかあると良いでしょう。 - 布テープ、ガムテープ
- ハサミやカッターナイフ
人数分の切れ味の良いものを。 - マジック
入れたものの名前をダンボールなどに書いておけます。
これ以外に、夏場なら熱中症対策として飲み物を多めに用意しておくなど、作業する人の健康面にも注意しましょう。
事前に用意しておけば、片付け当日に慌てて買出しに行かなくて済みますね。
遺品の片付け4つのステップ
遺品の片付けをスムーズに行うには、まず、いくつかに分類するといいですよ。
大きく分けると、捨てるものと、残すものになります。
それから、細かく整理していきましょう。
ここからは、遺品の片付けを進める順序を紹介します。
残すものを選ぶ
まずは、残すものを決めましょう。
- 写真やアルバム、故人の日記など
- 形見として分けるもの
- 登記簿や有価証券、通帳や保険証券などの書類
大切な思い出の品は、代わりになる物がありませんよね。
形見として保管しておけば、心の支えになってくれます。
再発行が難しかったり、手続きに時間がかかったりする書類もあるので、大切に保管しておきましょう。
登記簿や有価証券、預金通帳などは相続する財産になります。
相続するとなると、法的な手続きが必要に。
相続財産について詳しく見てみましょう。
相続財産になるものとは
残すべき遺品の中には、財産として相続するものや、名義を書き換えるなどの手続きが必要なものがあります。
- 預金通帳
- 株や有価証券
- 土地・家屋・車
- 借用書・ローンの契約書
こういったものが財産になます。
財産の中には、借金も含まれるんです。
えっ。そうなの?
あなたの知らない負の遺産があるかもしませんので、遺品整理をする時には、まず、こういったものがどのくらいあるのか確認しておいた方がいいですね。
これらは、相続の対象に。
相続税の申告や、名義を書き換えることが法律で義務づけられているものもあります。
例えば、相続税の申告手続きは10ヶ月以内。
手続きをちゃんと終えるには、必要書類をそろえたりするのに時間がかかることも。
期限に間に合うように、進めましょう。
捨てるものを分類
もう使い道のないものは、捨てるものとして分類しましょう。
- 下着や衣類
- 雑誌や本
- 壊れているもの
- 使う人がいないもの
こういったものが、不用品として捨てることになります。
ですが、捨てるものの中には、リサイクルショップなどで買い取ってもらえるものがあるかもしれません。
売れるかも、と思うものは別にまとめておきましょう。
売れるものはリサイクル
- 着物やブランド物の衣類
- アクセサリーや貴金属などの宝飾品
- ゴルフ道具や釣り道具
など、売れるかもしれないものは、リサイクルショップに持ち込んでみましょう。
親が使っていたものをそのまま捨ててしまうのは、気が引けますものね。
リサイクルで、必要な誰かに使ってもらえると思えば、
ホッとする。
「再び誰かが使ってくれている」と考えることで、気持ちが軽くなります。
気持ちも楽になって、ほんのちょっぴりお金も入るので、リサイクルショップの利用はおすすめです。
買い取りで得たお金をどうするかは、親族で相談して決めましょうね。
片付け費用に充てたり、記念になるものを買って形に残しておく、なんていう使い道もありますよ。
遺品に車がある場合、乗る人がいなければ廃車にする、もしくは売るという方法もあります。
車の廃車や売却の方法は、こちらを参考にしてくださいね。
自分たちで片付けは大変なら業者に依頼
たくさんの遺品を前に、自分たちで片付けるのは厳しいと思ったら、遺品整理業者に依頼するのも1つの手段です。
悲しみに沈んでいる遺族にとっては、心にさらにダメージを受ける場合もある遺品整理。
少しでも負担を少なくするために、利用する人が増えているようです。
遺品整理業者を利用すると、こんな利点がありますよ。
時間の短縮になる
遺品整理を自分たちでする場合、1日で終わることはまずありません。
ものが多いと、仕分けをするだけでも、相当な時間がかかります。
仕事がある人は休日にしか作業できないし、遺族が集まると思い出話に花が咲いてしまったり。
その結果、片付けに何ケ月もかかることも。
業者に依頼すれば、プロが数人がかりで片付けてくれるから、作業は1日もあれば完了。
片付けにかかる時間を減らせたら、相続などの手続きが進められるわね。
大きな家財道具なども運び出してくれる
大きい家財道具や重たい家電などを、自分で動かすのって大変ですよね。
無理して動かそうとしたら、腰を痛めたり、ケガの原因にもなってしまいます。
遺品整理業者なら、重たいものの運び出しはお任せ。
不要なら、処分もしてくれるので楽ですよ。
精神的な不安が軽くなる
遺品の片付けを始めると、寂しさがこみ上げて、処分することをためらってしまうかもしれません。
さらに、多すぎる遺品の数に戸惑ったり、片付けられるか不安になることも。
私は、どっちも思い当たるわ。
遺品整理業者なら、そんな相談にも乗ってもらえるから、心配や不安も解消できます。
遺品整理がストレスになってしまいそうなら、業者に依頼して楽に終わらせましょう。
遺品の供養も頼める
遺品の中には、供養が必要なものがあります。
例えば、仏壇や神棚、それから故人の想いがこもったお人形などは、そのまま処分はしにくいもの。
遺品整理業者の中には、供養をしてくれるところもあります。
必要ならお寺や神社に供養の依頼をしてくれるので、手間がかかりません。
遺品の供養をしてくれるかどうか、依頼する時に確認しておくと処分に悩まなくて済みます。
遺品整理業者を選ぶ5つのポイント
遺品整理業者に依頼すると、体力面や時間の負担も少なくなって、片付けを楽に進められます。
でも、業者に依頼するということは費用がかかるということ。
業者を使った場合に、トラブルになりやすいのも費用の面なんです。
事前にしっかりと見積もりを取るなど、業者選びには注意が必要です。
業者を選ぶポイントをまとめてみました。
- 料金システムや処分方法が明確
- 出張見積もりが無料
- 対応が丁寧
- 遺品整理士の資格がある
- 遺品の供養をしてくれる
遺品整理業者の中には、残念ながら悪徳業者もいます。
「作業してみたら予想以上に荷物が多かったから、加算になった。」
など、もっともらしい理由を言って追加請求してきたりすることもあるんです。
また、回収した不用品を不法投棄するような業者も。
こんな業者に関わったら、依頼主のあなたもトラブルに巻き込まれてしまいます。
そんなことにならないためにも、事前に現地に来て見積もりをしてくれる業者を選びましょう。
事前見積もりは無料で行ってくれる業者も多く、実際に荷物の量を見て計算するので安心できます。
作業内容や処分方法も確認して、料金をわかりやすく提示している業者を選ぶようにしましょう。
そのためには、複数の業者から見積もりを取って、サービス内容など不明な点も確認しておくことが大事。
相談した時の対応や説明に違和感があれば、その業者は自分に合わないと判断してもいいでしょう。
「遺品整理士」は、遺品整理に関する専門的な知識を持った人が取得できる民間資格です。
遺品整理士が在籍している業者なら、遺族の心情にも遺品にも真剣に向き合ってくれるから、信頼できますよ。
また、お仏壇や神棚・お守りなどをそのまま処分するのって、気が引けますよね。
遺品の供養もしてくれる業者に任せれば、自分でお寺や神社に持ち込んだりしなくても済むので安心です。
一口に遺品整理業者といっても、そのサービスは多種多様。
サービス内容や料金の説明を確認して、あなたが納得できる業者に依頼すれば、遺品整理を後悔なく終わらせられますよ。
と言っても、たくさんの業者から選ぶのは大変。
迷ったら、こんな業者に相談するのもありです。
まとめ
いつかは自分がする時が来てしまうと、ふと、気づいてしまった、遺品整理。
親が亡くなった後に遺品を片付けることだと漠然と考えていた私でしたが、実は準備や手続きがいろいろと必要だと分かりました。
不安や心配でいっぱいだったけれど、調べてみて本当に良かった。
精神的なストレスや、体力面でも負担が大きい、亡くなった後の片付け。
自分でやるのが辛かったり時間がかかりそうな時は、遺品整理業者に任せてしまう方法もあることがわかって、ちょっと気が楽になりました。
自分たちで思い出に浸りながら片付けるもよし、業者に依頼するもよし、それぞれの家族が納得できる形で進めればいいんです。
いつかは、やってくる親の遺品の片付け。
手順や方法をあらかじめ知っておけば、慌てずに取り組むことができるから、あなたも後悔のない片付けができますね。
\ 私がおすすめする遺品整理業者はここ /