携帯=スマホの時代。
今や、スマホを持っていない人の方が少ないですね。
年配の方でもスマホで写真を撮ったり、画面をのぞき込んでいる姿をよく目にします。
そんな中、例えば家族に交通事故や突然死など「もしもの時」があった場合はどうでしょう?
何らかの事情で携帯やスマホを開く必要があった時、ロックがかかっていると困りますよね。
私の友人の話ですが、おじいさまが急に亡くなり、スマホのパスワードが分からず困っているという話を耳にしました。
同じ様に私や家族に何かあった時、残された携帯やスマホの中身を知る必要が出てきたとしたらどうしよう。
そう考えてみると方法が分からないことに気がついたので調べてみました。
この記事では、携帯やスマホのロックは解除出来るのか、その方法と注意点についてご紹介します。
亡くなった家族の携帯のロック解除方法
家族に突然もしものことがあり、携帯やスマホのロックを外そうと考えるときはどんな時でしょうか。
- 思い出の写真や動画はもちろん、音楽などの創作品を守りたい
- 亡くなった事をお知らせするために交友関係を知りたい
- 遺影に使うために直近の写真を探している
- 株やFXなど金融取引を把握したい
などなど理由は様々ありますよね。
その中でも、金融取引などはその内容によっては「遺産」として考えられます。
場合によっては相続手続きの対象となる可能性もあり、放置できない問題です。
しかし、どんなに信頼しあっている家族でも、パスワードやPINなどを伝えていることはあまりないですよね。
ではもしもの時、残された家族はどうすればよいのでしょうか。
なにか方法はないか調べたので、一緒に見ていきましょう。
キャリアメーカーに相談する
まず、キャリアメーカーに相談してみるのはどうかと調べてみました。
結果は残念なことにどのメーカーも、ロックを解除したり暗証番号の解析などはしてくれません。
しかし、解約の他に家族が携帯やスマホを引き継ぐ「承継」という手続きがありました。
家族が引き継ぐ「承継」とは?
契約者が亡くなり、その家族が契約を引き継ぎ継続する手続きです。
戸籍謄本や除籍謄本などの必要書類を揃えて、キャリアショップで手続きできます。
必要書類はキャリアメーカーによって違うので確認しましょう。
また、暗証番号が分からない場合でも、まず「承継」手続きをしてから暗証番号の初期化や再設定ができます。
そして、この手続きの際中身の写真やデータなどは、メーカー側で削除する事はありません。
しかし、スマホ本体がパスワードを全く受け付けない「ロック状態」にある時は初期化する場合があるそうです。
ロックを解除する時に、データを消去して解除しなければならないからです。
一部承継が不可能なケースも
ポイントやクラウド上のメールデータなど、引き継げない契約内容もあるので事前に確認が必要です。
また、格安携帯などは承継手続きができない場合がるので、確認しましょう。
そして、上手く承継手続きができた後も注意する点があります。
まず、その中身が「個人情報」で「相続の対象」になるということです。
たとえ家族でも取り扱いを間違えると、遺産相続のトラブルになる可能性があるので十分注意が必要です。
この手続きは、書類を取ったりメーカーに立ち寄ったりと、少し手間に感じるかもしれません。
しかし、亡くなった家族の思い出を守れると考えたら、それほど苦にならないと私は感じました。
専門の機関に依頼する
次の方法として、「専門家に相談する」のはどうでしょう?。
この場合の専門家とは、亡くなった方の携帯に残されたデータの調査や解析を依頼できる業者になります。
最新の技術を使って、デジタル機器のパスワード解析やデータの復元や抽出なども請け負ってくれます。
相談や見積もりは無料ですが、実際に依頼するとおおよそ20~30万円くらいの費用がかかります。
少々高く感じますね。
しかし、最近の携帯やスマホは金融機関とのやり取りなどにも使用するため、セキュリティが年々厳重になってきています。
最近では専門の機関でも解析が困難になっている機種もあります。
そのため特別な教育を受けたスタッフが専門の技術を駆使し、その作業に当たるたります。
大変手間がかかる作業になるため、ある程度の出費を覚悟する必要があるでしょう。
自力でのロック解除は危険
多くの人が携帯やスマホを管理するとき画面ロックを設定していますよね。
QRやスマホ決済など、お財布代わりに使っている人も多いです。
その為、セキュリティは年々複雑になってきています。
紛失や盗難の時はとても助かりますが、持ち主に突然の不幸が訪れたときはその厳重さがあだになります。
では、携帯やスマホのセキュリティにはどんなものがあるのでしょうか。
指紋や顔での生体認証、パスワード、PIN、パターンを入力するなどの方法がありますね。
これらの方法でロック解除が可能かひとつづつ見ていきましょう。
生体認証は使えない
まず、顔認証や指紋認証と言った生体認証は、持ち主が亡くなった時点で使用不可能になるようです。
その理由はメーカーによりますが次のことがあげられます。
- 顔認証は目をつぶっていると認識しない事
- 指紋認証では微弱な電流の反応で指紋を識別する事
ですが、生体認証を登録する時、必ずパスワードやPINを入力しますよね。
私も経験がありますが、生体認証の認識がエラーになるとパスワードやPINでロックを解除します。
このように生体認証でのロック解除ができなくても、パスワードやPIN使う方法が残されています。
でたらめなパスワード入力は危険
ではパスワードを使ってのロック解除なら出来そうですね。
しかし、どんなに仲の良い家族でもパスワードを知らせているケースはほとんどありません。
私も、家族にスマホのパスワードは教えていませんし、逆に家族のも知りません。
どこかにパスワードが分かるものを残していないか探さなければなりません。
契約時の書類や手帳に残されているかもしれません。
また、最近ではエンディングノートを残す方も増えているようです。
意外とシンプルなパスワードにしているかもしれません。
色々な方向から持ち主の性格を考えて見つける必要がありますね。
しかし、実際には家族でも携帯やスマホの中身はあまり見られたくないものです。
その為に暗号のように残していることもあります。
仕方なく思いつく限りのパスワードを入力してみるという手段に出てしまうでしょう。
しかし、それはあまり良い方法ではありません。
盗難や紛失の際に不正に携帯やスマホにアクセスできないようにする設定があるんです。
それは、間違ったパスワードの入力に回数制限を付けている場合です。
iPhoneではパスワードの入力を5回間連続で違えた時点でエラーメッセージが出ます。
10回連続で間違えると工場出荷時(初期状態)になるような設定があるそうです。
そうなってしまっては、亡くなった家族との思い出や作品が台無しになってしまいます。
もしパスワード入力を試すのであれば3回までにしましょう。
残された家族のために
ここまで見てきたように、亡くなった家族の携帯やスマホのロック解除はとても手間や時間がかかります。
そのせいで、ゆっくりと亡くなった家族との思い出に浸ることも出来ません。
そして、私自身にもしもの事があった時も、残された家族は大変な思いをするとわかりました。
残された家族が困らないためにできる事はないかと調べると、「デジタル終活」と言う言葉にたどり着きました。
家族が困らないデジタル終活とは?
近頃あちらこちらで耳にする様になった「終活」。
亡くなる前に自身の身の回りの整理をすることで、これを携帯やスマホなどにも応用するというものでした。
色々なもののデジタル化が進んだ今、携帯やスマホの中身はデジタル遺品として考えられます。
残された家族はその遺品の整理をしなければなりません。
アプリやクレジット情報の削除も
また、携帯やスマホには写真や音楽などの思い出のものだけではありません。
例えば、課金契約しているアプリがあれば、解約の手続きが必要ですね。
また、クレジット情報なども最終的には初期化の必要があります。
全部を生前の内にできるわけではないので、せめてパスワードが分かるようにするなどできる事はあると思います。
残された家族の負担が少しでも減るようにしておきたいですよね。
まとめ
今回は、亡くなった家族の携帯やスマホのロックの解除方法をご紹介しました。
キャリアメーカーでは「承継」というで続きでスマホを引き継ぐという方法と、少し金額はかかりますが、専門の機関に依頼する方法でした。
また、自力でパスワードを見つけようと、何度も間違ったパスワードを入力するのはやめましょう。
そのために、大切なデータが失われたり、専門機関でもパスワードの解析ができなくなってしまいます。
そして、もしも自分の身に何かあった時のために、デジタル終活をしておきたいですね。
もし、ご家族の携帯やスマホのロックの解除方法に困ったら、ご紹介した方法を試してみてくださいね。