クラシックのコンサートや有名アーティストのバックバンド、はたまた野球の応援や競馬場のファンファーレなど・・・意外と目にする機会の多いトランペット。
しかも他の楽器に比べて目立ちやすいので、そのカッコよさから興味を持つ人が多いんですよね。
私もバリバリ吹きこなすプロの姿に魅了され、トランペットを吹き始めたうちの1人です。
実はトランペットの種類って沢山あるんですよね。
サイズが小さめで扱いやすいものから、大きめで甘い音色が出るものまで特徴は様々。
ベテランやプロのトランペット奏者も、曲やシーンに応じて数種類のトランペットを使い分けることが多いんです。
じゃあトランペットの種類ってどんなものがあるのか気になってきますよね。
今回はトランペットの種類で代表的なものをドドーンと7種類、演奏動画付きで説明していきます。
聞き比べてみると、違いがよくわかって面白いですよ♪
またそれぞれの形や大きさの違いも、見ながら楽しんで下さい。
後半は、7種類の中から初心者でも始めやすいトランペットの種類について解説していきます。
もしトランペットを始めてみたくなったら、最後におすすめのモデルもご紹介していますのでぜひ参考にして下さいね。
代表的なトランペットの種類7つ
トランペットという楽器に分類されている代表的なものを7つご紹介します。
それぞれの音が聞ける演奏動画もご用意しましたが、もし全部を見ている時間が無いという方は興味のある楽器のものだけ聞いてみて下さいね。
B♭管トランペット【定番はコレ】
音色 | 輝かしく、吹き方によって幅広い表現が可能 |
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よく使われる場面 | オーケストラ、吹奏楽、ビックバンド、野球応援など幅広い |
吹奏楽や音楽教室で、多くの人がまず最初に手にするのがこのB♭管(ベーかん)トランペットです。
『トランペット』と言うと一般的にはこのB♭管のことを指します。
「B♭」というのは、このトランペットの「ド」の音がピアノの「B♭(つまりシ♭)」と同じであることから、この名前が付けられています。
ちょっと難しいお話なので、豆知識くらいの気持ちで読んで下さい。
音色は一般的に想像される輝かしいトランペットの音ですが、吹き方によって優しくも力強くもなる表現力の幅広さが特徴です。
まずは基準として、このトランペットの音を確認しておきましょう。
みんな衣装を着せられている感がすごいですが、気にせずお楽しみください!
中央のコワモテなトランペット奏者は西村浩二さんで、椎名林檎さんの曲やミスチルのライブでも吹いている有名プロトランぺッターです。
C管トランペット【クラシック向き】
音色 | B♭管より明るく華やか |
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よく使われる場面 | オーケストラ、クラシック曲 |
ぱっと見はB♭管トランペットと似ていますが、管(吹き口から音が出る先端までの、ぐるっと巡って付いている筒状の部分)が全体的に短めなのがC管(ツェーかん)トランペットです。
先程、B♭管トランペットの「ド」=ピアノの「シ♭」だと説明しましたが、こちらのC管の「ド」はピアノと同じ「ド」の音が出るんです。
ちなみにトランペットにはB♭管、C管以外にもE♭・D・F・Gの管のものがあって、それぞれ「ド」として吹いた時に出る音が異なります。
でも日本でよく使われているのは、今回ご紹介するB♭とC管になります。
C管トランペットの音色はB♭管のものよりも明るめで、華やかさがありますよ♪
単体で聞くとB♭管との違いはわかりにくいですが、明るめの音で曲に優しく華を添えてくれますね。
用途としては主にオーケストラで、クラシック曲での演奏に使われます。
日本ではB♭管でトランペットを始めて、必要に応じてC管を購入する流れが殆どですが、海外ではこのC管トランペットが主流な国もあります。
ピッコロトランペット【高い音が出る】
音色 | 高音で可愛らしく、明るい音 |
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よく使われる場面 | オーケストラ、吹奏楽、バロック時代の曲の演奏時 |
見た目が小さくて、可愛らしい印象のピッコロトランペット。
管がB♭管トランペットの約半分の長さであるため、基本の「ド」を吹くとB♭管よりも1オクターブ高い「ド」の音が出ます。
どの楽器でも、大きさが小さくなるほど高い音が出る傾向がありますよね。
ピッコロトランペットは高音から低音まで広範囲の音が出しやすいように、ピストン(指で押すボタンとその下の筒部分)がB♭管よりも1本多い、4本構造が基本です。
そして管の巻かれ方が型によって異なるので、見た目にバリエーションがあるのも面白いところ。
音色は1オクターブ高いこともあって、小鳥のさえずりのように可愛らしくて明るい音になります。
可愛らしさの中にも品がある音がします。
用途としてはオーケストラや吹奏楽でよく使われますが、特にバロック時代の曲(バッハやヴィヴァルディなどの曲)を演奏する際に出番が多くなります。
コルネット【扱いやすさNo.1】
音色 | 柔らかく、まろやかな音 |
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よく使われる場面 | オーケストラ、吹奏楽、小学生ブラスバンド |
ピッコロトランペットに続いてもう1つ、小さめサイズのものをご紹介します。
トランペットがギュギュっと圧縮されたようなコンパクトサイズのコルネットです。
食いしん坊な私は、名前からパンの「コロネ」をいつも連想してしまうんですよね・・・
音色はB♭やC管のトランペットよりも柔らかくてまろやかな音です。
日本では「おにのパンツ」で有名なこの曲でお楽しみ下さい。
後半はかなり音が細かくなりますが、まろやかな音のおかげでうるさく感じないです。
コルネットは全体的にコンパクトな形状のため、吹く際に手元が顔に近くなって楽器の重さを感じにくいのが利点です。
手に負担がかかりにくいので、小学生のブラスバンドで採用されていることも多いんですよ。
吹奏楽やオーケストラでも、まろやかなで溶け込むような音が求められる曲ではコルネットが活躍します。
フリューゲルホルン【甘さにうっとり】
音色 | 温かみがあり、甘く柔らかい音 |
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よく使われる場面 | ジャズ |
これからは少し大きめサイズのものをご紹介していきますね。
このフリューゲルホルンは、名前に「ホルン」とついているのにトランペットの仲間なんです。
管の形の分類上でホルンと名付けられているのですが、出る音域や使用するマウスピースの形などがトランペットに近いため、トランペットの仲間とされています。
音色は温かみがあって甘い雰囲気の、柔らかい音が鳴ります。
落ち着いた大人の色気って感じがします〜。
このうっとりするような甘く落ち着いた音色はバラード曲にもってこいで、主にジャズで使われることが多いです。
多くの人に好まれる音色なので、ソロでよく活躍していますよ。
ロータリートランペット【太めの音】
音色 | 全体的に太めで、柔らかい音 |
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よく使われる場面 | オーケストラ |
今まで見てきたものとは異なって上部に飛び出たピストンが無く、代わりに指で押すレバーが下部についているのがロータリートランペットです。
ピストン代わりとなる部分の構造が一般的なトランペットと異なり、ホルンと同じロータリー式の構造(ロータリーバルブ)になっています。
同じ金管楽器でも、内部の構造や使われる部品が楽器によって違うということだけわかってもらえればOKです!
吹く時の姿勢が特徴的で、このように横に構えて吹きます。
あなたの吹き方、曲がってますよ!って注意しないように。
音色は全体的には柔らかくて太いですが、高音になるとトランペットらしい尖りのある音に近くなります。
弦楽器の音ともよく馴染むので、オーケストラで使われることが多いです。
トライアンファルトランペット【式用】
音色 | 輝かしく、ハッキリとした音 |
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よく使われる場面 | 式典、歌劇 |
お城の所でファンファーレを吹いているトランペットを想像してください、と言ったら先が長ーいこの形のトランペットが頭に思い浮かぶ人も多いと思います。
このトランペットの名前はトライアンファル・トランペットと言います。
ファンファーレ・トランペットと呼ばれることもあります。
長い管の所には旗を取り付けることができる輪っかが2か所あり、1964年に開催された東京オリンピックの開会式でもこのようにして使われました。
引用:http://sunlake.org/music/niftm/opening/nikkanfanfaretrumpet.jpg
複数人で整列してトライアンファル・トランペットを吹いている光景って、すごくカッコいいですよね~。
音色は輝かしくハッキリとした音で、その場を華々しく盛り上げてくれます。
見た目のインパクトも大きいので、是非動画でお楽しみ下さい。
スラッとした楽器の形が長身男性のカッコよさを引き立ててます!
このように見栄えが良いため、用途としては主に式典や歌劇で使われます。
運が良ければ、大井競馬場の重賞レース前のファンファーレで見ることもできるよ。
ちょっと長かったですが、一般的なB♭管を含めトランペットの7種類をご紹介しました。
それぞれの特徴や違いがわかったと思います。
なお、吹奏楽などでトランペット(B♭管)を練習している時、講師によってはこんなふうに注意されることがあります。
「あなたの音は〇〇(フリューゲルホルンなどの、B♭やC管以外のトランペット)の音ですよ」
B♭・C管以外のトランペットの音色は比較的柔らかいものが多いことから、この場合はもっとメリハリのある音を出しなさいという意味合いで言っていることが多いです。
トランペットを吹く時は口周りの使い方がとっても重要なので、思うように音が出せない時は一度見直してみると良いですね。
初心者向けなのはB♭管とコルネット
トランペットの7種類をご紹介してきましたが、中には吹きこなすのに高い技術力が必要な物もあります。
もしトランペットをこの機会に始めたいと思っているのなら、初心者向けには以下の2種類がおすすめです。
- B♭管トランぺット
- コルネット
やってみたいと思った物がこれ以外だったとしてもガッカリしないで!
まずはこの2種類のどちらかから始めて、基礎的な部分を固めることが大事です。
最もおすすめなのはやはり、スタンダードなトランペットとされているB♭トランペットです。
C管トランペットもクラシックではよく使われますが、多くのトランペットの楽譜が通常B♭管に対応する表記となっていることもあって、まずはB♭管を1本持っておく方が幅広く使えるでしょう。
これが上手く吹けるようになったら、今回ご紹介した他のトランペットも大抵はスムーズに吹き始めることができます。
コルネットは、小学生のブラスバンドでも採用されているだけあってB♭管トランペットより持ちやすく、楽器の構造的な面からも音を出しやすいのでおすすめです。
大人でも特に女性からは、このコンパクトな形やまろやかな音で人気が高いです。
では、最後にB♭管トランペットとコルネットのおすすめをご紹介しますね。
B♭管とコルネットのおすすめ3選
トランペットとコルネットを買うなら、これを選べば間違いナシ!
B♭管トランペットとコルネットのおすすめを合わせて3つご紹介します。
(情報は2020年1月現在のもの、価格は税抜き)
B♭管「YTR-4335GII」
B♭管トランペットを始めるなら、日本で超一流のトランペットメーカーであるヤマハ製が最もおすすめです。
30~40万円台のモデルが多い中、この「YTR-4335GII」は初心者が始めるには嬉しい価格帯のトランペットです。
初心者向けにはもう少し安い物もありますが、あまり安いと音が良くなかったりして吹いているうちに物足りなさを感じることも。
その点このモデルは、この価格でヤマハの高技術が詰まっているので長い目で見ても安心して吹ける1本です。
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B♭管「Vincent37 SP」
バックもまた、ヤマハと並んでトランペットでは定番のメーカーです。
バックのトランペットは全体的に価格がヤマハより高めですが、このVincent(ヴィンセント)モデルはコストパフォーマンスの良さがウリです。
バックで有名なのは、初心者~プロまで幅広い人気の「180シリーズ」のモデルです。
この180シリーズで使われているパーツを取り入れて上質な音が出るうえに、吹きやすさも考慮されているのが「Vincent37 SP」なんです。
吹きやすいことって初心者にとっては結構大切です。
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マウスピースとケースはこちらを参考にどうぞ。
次はコルネットのおすすめをご紹介します。
コルネット「YCR‐4330GII」
B♭管と同じく、コルネットもヤマハ製がおすすめです。
コルネットは9万円台~高くても30万円という価格帯ですが、このモデルは入門用より1段階上のモデルで良い音がしますよ。
コルネットは音が柔らかくてまろやかなため、質の悪い安すぎるものを買うと音がこもりがちで綺麗に響きません。
そうなるとオーケストラや吹奏楽で一緒に吹いている他の楽器の音に負けてしまい、自分のコルネットの音が生かせなくなってしまいます。
だから買う時は値段よりも、ヤマハなど信頼できる有名メーカーのモデルの中から選ぶことをおすすめします。
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まとめ
トランペットとして代表的な種類を7つご紹介しました。
私は普段B♭管トランペットしか吹かないのですが、音色を聞いてコルネットやフリューゲルホルンも吹いてみたくなりました。
トランペットってキーンとした高音がカッコいいっていうイメージが強いのですが、まろやかで優しい音色もまた違った存在感があって良いですよね。
もしトランペットやコルネットを始める際には、おすすめしたような信頼できるメーカーのモデルを使って下さい。
良い楽器を使うとメキメキ上達するので、絶対に楽しいです。
今回の動画は全て男性奏者でしたが、みんなそれぞれカッコよくてつい見入ってしまいました。
トランペットが上手い人って、とても魅力的に見えますよね~。
カッコよく吹いてみんなからの注目を集めるのは、次はあなたかも知れませんよ♪