一見地味で注目されることが少ないけど、やってみると動きは派手で楽しいし、リズムを生み出す重要な楽器。
それがドラム。
ドラムを始めると誰でも最初にぶつかる壁があります。
「楽譜の読み方が難しくてわからない!」
ドラムの楽譜って他の楽器と違って、かなり特殊なんですよね。
私も初心者の時は、かなり苦労しました。
でも、楽譜の読み方でつまずいて、辞めてしまうなんて本当にもったいない!
私が当時悩んだことを思い出しながら解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
実は簡単!ドラムの楽譜の読み方
結論から言います。
ドラムの楽譜の読み方は簡単です。
いや、難しいからググってるんだけど。
気持ちはわかります、私も昔はそうでした。
では、なぜ難しいと感じるのでしょう?
それは音楽の授業で習った読み方と全然違うからだと、私は思います。
理由がわかれば後は簡単。
ドラムの楽譜は新しいもの、と意識してルールを理解すればいいだけです。
さて、ドラムの楽譜の読み方で重要なポイントは、以下の3つです。
- 音符は音の高さでなく、叩く場所
- 各パーツの高さと楽譜は連動している
- オタマジャクシ(音符)の尻尾で手足のどちらを使うか判別できる
詳しく解説します。
音符の位置は叩くパーツを表している
ドラムは打楽器で、リズムを打つ楽器です。
ギターやトランペットのように、メロディを奏でる楽器ではありません。
メロディ楽器の楽譜は、基本的にどの音を出すかが記されています。
一方、ドラムの楽譜は、どのパーツを叩くかが記されています。
基本的には上の通り。
「ラ」の位置にある音符は「ラ」の音を出すのではなく、「フロアタムを叩く」という意味です。
多くの場合、太鼓のパーツはよく見る丸い音符で記されます。
一方、シンバルのパーツは×印で記されるのが特徴ですね。
どの位置にある音符がどのパーツを叩くか、それだけ覚えてしまえば、ドラムはもう叩けます。
これでドラムの楽譜の読み方がわかりましたね。
でも、これだけではまだ「知識」として知っているという感じです。
「頭ではわかってるけど…」という状態になりかねません。
そこで、次は視覚的、感覚的に楽譜と実際に叩くパーツを確認してみましょう。
音符の高さは各パーツの高さと一致
実は、各パーツの物理的な高さと、楽譜に記された音符の高さは連動しています。
どういうこと?
はい、言葉だけではわかりにくいですね。
画像で確認してみましょう。
どうでしょう?わかりますか?
物理的に上にあるパーツは、五線譜でも上に記されているんです。
厳密にはスネアとフロアタムや各シンバルは同じような位置にあるのですが、イメージはできたかと思います。
知識とイメージが合わされば覚えやすさは段違い。
まさか見た目と連動しているとは思っていませんでしたから。
さぁ、これでどの音符がどのパーツを指しているのかわかりました。
次に、覚えておくと便利なポイントを紹介します。
オタマジャクシ(音符)の尻尾を確認
ドラムとは両手両足を使う楽器です。
どの音符がどのパーツを指しているのかわかっても、どの手足で叩けばいいかわからない、なんてこともあるかもしれません。
まぁ、バスドラムを手で叩いたり、シンバルを足で蹴るなんて人はほとんどいないと思いますが…。
(余談ですが、アーティストの吉川晃司さんは、パフォーマンスとして足でシンバルを蹴ります)
覚えるポイントはひとつ。
オタマジャクシ(音符)の尻尾をみてください。
音符 | 尻尾の向きと部位 |
上向き・・・手を使う | |
下向き・・・足を使う |
尻尾が上向きに伸びているものは手で、下向きに伸びているものは足を使います。
パーツの高さもそうですが、結構見た目と楽譜が連動していておもしろいですよね。
さて、基本的な楽譜の読み方はたったこれだけで終わりです。
簡単ですね。
しかし、ちょっと特殊な楽譜もあるので、次はそちらを解説します。
ドラムの楽譜には特殊な表記もある
ドラムのいくつかのパーツでは少し変わった叩き方があり、表記も変わります。
今回は、ドラムの中でも基本となる以下の2つを解説します。
- ハイハット
- スネアドラム
リズムの中心、ハイハット
ハイハットはリズムを刻むパーツで、ドラムで唯一手足両方を使う楽器です。
手でリズムを刻むのですが、足でペダルを踏むことでオープン状態とクローズ状態に切り替えられ、楽譜の表記も変わります。
また、オープン状態から強めにペダルを踏むと「チャッ」というような閉まる音がします。
ペダルハイハットと呼ばれますが、これも表記が変わるので、しっかりとおさえておきましょう。
■クローズ(ド)ハイハット ペダルを踏んだまま叩く。 | ||
■オープンハイハット ペダルを踏まない、あるいは軽く踏んだまま叩く。 | ||
■ペダルハイハット ペダルを踏むことで音を鳴らす。 |
手でハイハットを叩く時、特に表記がない場合は、クローズ状態で叩くのが一般的です。
また、ペダルハイハットの場合は、足を使うのでオタマジャクシの尻尾が下向きに伸びます。
さっき覚えたことが早速役に立ったね。
ハイハットは曲中で1番使うパーツです。
これを丁寧に叩けると曲の印象が全然違いますし、何よりドラミングがとても楽しくなります。
私も基礎練習は、徹底的にハイハットを練習していました。
ベースやギターなども演奏しやすくなるので、間違えないようにしましょう。
太鼓の中の主役、スネアドラム
スネアドラムはいわゆる「太鼓」の中でもっとも叩くパーツです。
「パァン!」と派手な音が鳴り、シンバルを除いては1番印象に残る楽器でもあります。
スネアドラムの叩き方には、たくさんのテクニックが存在し、それぞれ全然違う音が鳴ります。
楽譜の読み方という観点では、特にリムショットを覚えておきましょう。
リムショットとは、太鼓のフチ(リム)を叩く奏法のことです。
叩き方は2種類あり、オープンとクローズと呼び分けされています。
■オープンリムショットとクローズリムショット
クローズリムショットとは、太鼓の中心を叩くのではなく、フチ(リム)を叩く奏法のこと。
一方、オープンリムショットとは、太鼓の中心を叩くと同時に、フチ(リム)も叩く奏法です。
楽譜としてはオープンリムショット特有の表記はないので、今回は省略します。
下記の演奏動画を観てもらえば、クローズリムショットがわかると思います。
よく見る叩き方ですが、楽譜にすると下記のようになります。
■クローズリムショット 太鼓のフチ(リム)を叩きます。 |
通常のスネアドラムの音符が×印に変わっていますね。
これを知らずに普通に叩くと、まったく別の印象になるので間違えないようにしましょう。
ドラムの楽譜の読み方の注意点
今までのポイントをおさえておけば、基本的にドラムの演奏はできます。
しかし、どんなものにも例外というのがあるものです。
そこで、最後に少しだけドラムの楽譜の読み方における注意点を説明します。
ドラムはたくさんある楽器の中でも、歴史の浅い楽器。
実は、楽譜に明確なルールはありません。
今、見てきたことはなんだったの…
問題ありません!
今回解説した内容は基礎的な内容で、ほぼ問題ないので、ぜひ覚えてください。
ただ、ドラムというのは本来「ドラムス」という名前であり、複数のパーツで構成される楽器です。
つまり人によって構成が違います。
中にはこんなに使う人もいるようです。
なにこれ!
これだけあると、五線譜上に音符を並べるのはほぼ不可能です。
じゃあ、どんな楽譜になるのか。
たくさんあるタムはロータム、ハイタムとして適当に採譜されます。
私は当時、これにはすごく困りました。
楽譜通りに叩いても、原曲の通りにならないんですもん。
とはいえ、初心者でこれだけのタムを揃える人なんてまずいません。
自分なりのアレンジを加えて叩いたり、友人に相談するのがいいですね。
まとめ
ドラムの楽譜の読み方は、本当に難しくありません。
楽譜に対する既存の概念を取っ払ってしまえばいいんですから。
それでも難しいと感じる人は、考え方を変えましょう。
ドラムは、楽譜の読み方が難しい楽器ではなく、自由な楽器なのです。
タムやシンバルを、好きなように増やしたり減らしたりしても自由。
叩くパーツを、自分なりにアレンジするのも自由。
メロディ楽器だと、出す音を間違えてしまえば基本的に「ミス」です。
その点、ドラムはやりたいようにやれるのが強みで、楽しいところだと思います。
基礎を覚えて、あなたらしいドラミングを目指してください。
この記事がその助けとなれば、先輩ドラマーとしてこんなに嬉しいことはありません。
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