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亡くなった人の車、どう廃車すればいいの?元車屋が教えます

終活

私は前職で20年車屋で働いていましたが、その間に亡くなった方の車を廃車したいという相談は3回だけでした。

それくらい、めったにあることではありません。

しかし、私が受けた3件のうち1件は書類の準備に時間がかかり、廃車にするまで3ヶ月もかかってしまいました。

普通自動車は、財産として遺産相続の対象になるので、亡くなった方の所有していた車を廃車するのに手間と時間がかかることがあります。

そのとき相談を受けたお客さんは、書類を準備するための他の親族とのやりとりだけでうんざりされてました。

あなたには、そんな面倒なことになって欲しくないので、少しでも参考になればと思い、元車屋の私が亡くなった方の車を廃車するのに必要な手続きについてまとめてみました。

亡くなった身内の車、どう廃車するの?

亡くなった方の車を廃車するには、1度相続人の誰かの名義に変更して、それから廃車の手続きをします。(書類が揃っていれば、実際の手続きは1回で終わります。)

相続の仕方には、相続人の中から誰か1人を代表にして相続する単独相続と相続人全員で共同で相続する共同相続の2つがあります。

私はこれまで受けた相談は全て単独相続で処理してきました。

単独相続のほうが準備してもらう書類が少ないので、お客さんの負担が少なくて済むからです。

亡くなった方の車が軽自動車の場合

亡くなった方の車が軽自動車の場合は、相続などの複雑な手続きは必要ありません。

新しく所有者になる方の住民票と印鑑(認め印)があればOKです。

  • 自動車検査証(車検証)
  • 新所有者の住民票
  • 新所有者の印鑑(認め印)
  • 故人の印鑑(認め印)
  • 自動車検査証記入申請書(軽自動車検査協会で手に入ります)。

軽自動車は簡単に廃車できるのね。

普通車でも比較的簡単な単独相続

単独相続に準備する書類は次の通りです。

  • 自動車検査証(車検証)

所有者が亡くなった方の名義になっているか確認してください。

ローンで購入した場合は所有者が自動車ディーラーやローン会社になっている場合があります。

その際は所有者になっている会社から名義を変えるのに必要な書類をもらう必要がありますが、ローンの支払いが残っているときはまずそれを払わなければなりません。

  • 「戸籍謄本(除籍謄本)」または「戸籍の全部事項確認証明書」

所有者の死亡の事実と、相続人全員が確認できるもの。

  • 遺産分割協議書

「相続人の代表者に名義を変更するのに同意します。」といったような感じの書類です。

戸籍謄本に名前が載っている相続人全員に実印を押してもらう必要があります。

1枚の書類に相続人全員の実印が必要になるため、この書類を準備するのが1番時間がかかると思います。

私が依頼されて廃車までに3ヶ月かかったときも、6人いた相続人全員の実印をもらうのに時間がかかってしまったためです。

この時のお客さんは、他の相続人に実印を押して返送してもらうやりとりがうまくいかず、この書類を用意するだけでうんざりしていました。

  • 代表相続人の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
  • 代表相続人が自分で陸運支局に出向いて手続きする場合は「実印」、業者など誰かに依頼するときは実印を押した「委任状」。

  • 車庫証明書

代表相続人が故人(所有者)と同じ住所の場合は不要になることもあります。

車庫証明は管轄の警察署で取得します。

申請して発行されるまで約1週間、発行されてからの有効期間は1ヶ月、その間に手続きを終わらせないとまた取り直しになりますので注意してください。

必要な書類が多く複雑な共同相続

共同相続のときに準備する書類は相続人全員で相続するため、全員分の印鑑証明が必要になるなど揃える書類が多く、複雑になります。

  • 自動車検査証(車検証)
  • 「戸籍謄本(除籍謄本)」または「戸籍の全部事項確認証明書」
  • 相続人全員の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
  • 相続人全員の実印、本人が手続きにこれない場合は実印を押した委任状
  • 新しく所有者になる人以外の相続人全員の「譲渡証明書」

私が相談を受けたお客さんには両方説明してきましたが、全員が書類が少なくて済む単独相続を選ばれていました。

廃車のやり方には2通りの方法がある

廃車の手続きは、正式には抹消登録と言います。

抹消登録には、「一時抹消」と「永久抹消」という2通りの方法があり、それによって手続きも少し違います。

亡くなった方の車を誰かに譲る、もしくは業者に中古車として買い取ってもらうなど、また使う予定がある場合は一時抹消の手続きをとります。

永久抹消とは、車をリサイクル業者に引き渡して完全に廃車(スクラップ)にする場合に必要な手続きです。

一時抹消をした後に、車をリサイクル業者に引き渡し解体処理してもらいます。

解体処理が済んだら、リサイクル業者から「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」を教えてもらいましょう、決まった様式はありませんのでメモでOKです。

それと以下の書類を準備して陸運支局で永久抹消登録の手続きを行います。

  • 一時抹消登録証明書(車検証のようなもの)
  • 印鑑証明
  • 実印か、実印を押した委任状

廃車と一緒にやったほうがいいこと

廃車する車の車検が1ヶ月以上残っているときは、廃車した後で併せて手続きすることでお金が返ってくる場合もあります。

自賠責保険の解約

自賠責保険を解約すれば、残りの契約期間に応じた解約返戻金を受け取ることができます。

解約は、廃車を車屋さんに依頼した場合は一緒にお願いすれば手続きしてくれると思います。

自分で廃車の手続きをした場合は、自賠責保険証に書かれている保険会社に連絡して、次の書類を持って直接行くか、郵送で必要書類を送ってもらい返送すれば手続きできます。

  • 自賠責保険証
  • 一時抹消証明書(コピー可)
  • 印鑑(認め印でOK)
  • 免許証などの身分証明書
  • 解約返戻金の振込先の銀行口座を確認できるもの

自動車税の還付

毎年、春に納めている自動車税。

廃車した月に応じて、すでに支払っている自動車税の還付を受けることができます。

廃車してしばらくすると、国から連絡(封書)がきます。

自動車保険の解約

自動車保険を契約していて、保険料を年払いで支払っている場合、解約すれば残り期間に応じて解約金が返ってくる場合があります。

廃車の手続きだけでも複雑で面倒なので大変ですが、こちらから保険会社に連絡して手続きしなければそのまま保険期間が終了してしまい何も返ってきません。

こちらの手続きも併せてしっかりと行い、少しでもお金が返ってくるようにしましょう。

まとめ

亡くなった方の車を廃車にする方法についてまとめました。

お葬式など、まずやらなければいけないことが次々とあって遺品の整理などはどうしても後回しになってしまいます。

しかし、最初に書いたように車というのは土地や家と同じ資産となるため、車の所有者が亡くなってからの手続きは、複雑で手間も時間もかかることがあります。

不謹慎かもしれませんが、亡くなる前に親族の誰かの名義にしておくなど、前もって準備ができるならしておいたほうが煩わしい思いをすることも少なくて済むと思います。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

この記事を書いた人
タンサック編集部

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