墓じまいの相場はいくらぐらいなのでしょうか。
最近墓じまいが記事になっているのを見て、気になってしまいました。
田舎暮らしの60代男性、子供は都会に出ていて跡継ぎなし、墓参りは自分たち夫婦しかしないとのことです。
そういえば私も都会に出てからというものの、実家に帰ってお墓参りすることは少なくなりました。
私の親がいなくなったら、墓はどうなるのでしょうか。
もわもわと生い茂る草の中で、永遠にほったらかしはさすがにツラいです。
墓じまいについて調べてみると、どうやら親族やお寺との間で、お金のトラブルもあるとのこと。
これは今のうちに費用の相場を知っておいて、家族で話し合っておいた方がいいと思いました。
ということで今回は、墓じまい費用の相場(離檀料やお布施も含めた総額)を調べてみました。
とんでもない金額を請求された事例もあるとのことで、あなたの身を守るためにも覚えておいてほしい知識です。
墓じまい費用の相場(総額)
墓じまいの費用相場(総額)は約20万円~400万円です。
詳しくは以下の表をご覧ください。
費用内訳 | 最も安い金額 | 最も高い金額 |
お墓の撤去 | 10万円 | 50万円 |
お坊さんへのお布施 | 3万円 | 5万円 |
離檀料 | 10万円 | 20万円 |
遺骨の引っ越し費用 | 0円 | 300万円 |
書類手続きの費用 | 300円 | 3,000円 |
墓じまい代行費用 | 0円(頼まない場合) | 15万円(行政書士の場合) |
総額 | 23万300円 | 390万3,000円 |
「いくら相場にしても、金額差がありすぎるじゃないか」と思うかもしれません。
しかし「撤去するお墓の広さ」「遺骨の引越し先」などによって金額はまったく違ってきます。
ご先祖様の行き先をどこにしたいかは、人それぞれですしね。
以下の項で各費用の内訳ごとに詳しく解説していきますので、ぜひチェックしてみてください。
墓じまい費用の相場(内訳)
墓じまいは、総額で見たら金額差がありすぎるかもしれません。
しかしそれぞれ費用の内訳をみてみると、どうして差が出てくるのかがわかります。
親族で納得して話し合えるよう、今のうちにあなたのご先祖様の墓じまいがどのくらいの費用になるかをおさえておきましょう。
墓石を撤去しサラ地に戻す費用の相場
相場としては1㎡で10万円ほどを見込んでおきましょう。
墓じまいはまず、今ある墓石を撤去して元のサラ地に戻す必要があります。
平均的な1.5㎡のお墓を撤去するとしたら15万円、5㎡と広いなら50万円くらいになると思ってください。
ただ重機が使えないなどの理由で、相場より高くなる場合もあります。
お願いするのは石材店さんなどの工事業者なので、事前にしっかりと見積もってもらいましょう。
お坊さんに渡すお布施の相場
お布施はこちらの気持ちによるもので、お車代も含めて3~5万円程度が相場です。
お墓を撤去するときは、お坊さんに閉眼供養というお経をしてもらいます。
お布施は、このお坊さんへの感謝の気持ちとしてお渡しするのです。
ちなみに閉眼供養は魂抜きとも呼ばれ、お墓の中から魂を取り去るお経のことを言います。
お経のとき、私はいつも故人の思い出を頭に浮かべるのですが、あなたは何を思っているでしょうか?
離檀料の相場
お寺への離檀料は10~20万円が相場で、お布施3回分程度の金額です。
離檀とは檀家を離れる、つまりお寺との係り合いを終わらせることを意味します。
といってもこちらがお坊さんに何かをしてもらうわけではなく、あくまで今までご先祖様の面倒を見てくれた感謝の気持ちを表すお金が離檀料です。
なおこちらの離檀料は、お寺から要求されてとんでもない金額を支払った事例もあるようです。
あとで詳しくご紹介しますが、できれば金銭トラブルなんて縁起の悪いことはしたくないですね。
遺骨を引っ越しさせる費用の相場
閉眼供養をしたら、新しい納骨先に遺骨を引っ越しさせます。
引っ越し費用の相場は、納骨先によって10~300万と幅広い金額です。
遺骨の納骨先による費用相場
- 新しいお墓…100~300万
- 永代供養…合祀墓10~30万、個別墓…30~200万
- 樹木葬:合祀型 5~20万、個別型 20~80万
- 手元供養:0~20万
- 散骨:3~30万
遺骨をどこに納骨するかの判断は、残された私たちが行うものです。
費用も考慮して、しっかりと家族親戚一同で話し合い、納得のいく引っ越し先を決めましょう。
遺骨の引越し先の詳しい解説はこちら↓
書類手続き費用の相場
墓じまいに必要な書類手続きは、すべて合わせて300~3,000円程度の費用がかかります。
以下の3種類の書類を交付してもらえばOKです。
- 受入証明書・・・遺骨の移転先を管理するお寺や霊園が発行
- 埋葬証明書・・・今のお墓を管理するお寺や霊園が発行
- 改葬許可証・・・今のお墓がある自治体が発行
それぞれの書類の手数料は、自治体や管理者によって差が出るようです。
別々のところから3種類も書類を取り寄せなければならないと聞くと、こういうのが苦手な私は「うわっ面倒だな」と思ってしまいます。
そういう人のために、書類手続きを代わりにやってくれるサービスもあるようで、詳しくは以下でご紹介します。
墓じまい代行業者への費用相場
時間がない・難しいなどの理由で、墓じまいの手続きが難しい場合は、代行業者にお願いすることになります。
その相場は以下のとおりです。
- 行政書士への代行依頼・・・15万円程度
- 民間会社への代行依頼・・・20万円~
行政書士に頼む場合は、行政への書類手続きだけじゃなく、お寺や石材店との調整ごとなどメンドくさいことも全部やってくれます。
また民間会社なら、お墓の撤去や引越費用も含んでいる場合もありますので、いちどサービス内容を問い合わせてみましょう。
あのイオンも墓じまい代行サービスをやっているらしいです、なんだかすごい安心感がありますね。
墓じまい相場以上の金額を請求されたら
「よし、墓じまいの相場はわかった。これくらいお金があれば大丈夫だろう」と安心するのは、まだ早いかもしれません。
なぜなら、墓じまいには相場以上のとんでもない金額を要求されることがあるからです。
ここでは墓じまいにありがちな、料金トラブルが起こった場合の解決方法をお教えします。
お墓の撤去業者は相見積もりを
お墓の撤去業者は、基本的に石材屋さんに見積もりを取ってもらいます。
高いお金を払うことのないように、複数の石材屋さんから相見積もりを取るようにしましょう。
同じお墓でも20万円の金額差が出た場合もあるらしいです。
これだけ違うことが後からわかれば、私なら後悔して1週間くらい落ち込んでしまいます。
そのためにも、正しい金額を見積ってくれる業者さんを探したいですね。
お寺からの高額請求はまず話し合いを
先述したとおり、お寺から高額な離檀料を請求されることがあります。
なんと数百万、数千万円を請求されたという事例も。
このことから離檀料は、墓じまいで最もトラブルになりやすいです。
離檀料はお布施のように感謝の気持ちを表すものであって、支払いに法的な義務はないことを頭に入れておいてください。
法外な金額を要求してきたお寺には
- 今までご先祖様の面倒を見てもらっていた恩があり、感謝しているということ。
- だからといって、高額のお金を支払うのは嫌だということ。
まずはここをしっかりと伝えた上で話し合い、できれば円満に事を終わらせる方向に持っていきたいですね。
トラブルになりそうな時の相談先
話し合いでも解決できなさそうな場合は、弁護士や行政書士などの専門家に相談しましょう。
私たちとお寺などの間に入って、第三者としてトラブルを円満に解決してもらえます。
相談料としてしっかり入ってもらうなら数万円はかかるかもしれませんが、高額請求されたものを支払うよりかは安く済ませられるでしょう。
ちなみに弁護士も行政書士も、最初の相談は無料であったりすることが多いです。
困ったらまずお金は気にせず「とりあえず相談」でもいいかもしれません。
相談先についての詳しい解説はこちら↓
まとめ
墓じまいの離檀料・お布施まで含めた費用総額の相場は、いちばん安くて約20万円、いちばん高くて約400万円です。
安く済む場合は撤去するお墓が狭く、手元供養をした場合になります。
高くなる場合は撤去するお墓が広く、新しいお墓に移設させて代行業者を使った場合です。
供養の方法も費用を持つのは残された私たち次第なので、家族親戚一同でしっかりと話し合って、納得のいく墓じまいをしましょう。
なお墓じまいは、相場以上の高額な値段を要求される金銭トラブルも少なからずあります。
離檀料についてはお寺としっかり話し合い、トラブルになりそうな場合は弁護士や行政書士に相談して解決しもらいましょう。
これだけ墓じまいの情報があれば、私も家族会議を開けそうです。
あなたもお金でモメることなく安心して、親族みんなでご先祖様に「ありがとう」と言えるように終わらせたいですね。